歯周内科治療 ~アンチバイオティックセラピー~

歯周病の除菌治療とは?

 歯周病の除菌治療とは、お薬を用いて歯周病を治すという新しい治療法です。

 「歯周病が薬で治る?」と聞かれたら、多くの方が驚かれるかも知れません。私もその一人でした。歯周病治療 と言えば、昔からハミガキ指導と歯石を除去したりする歯のまわりのお掃除が、どの歯科医院でもされている基本的治療です。また、最近ではいろいろな手術の方法が考えられています。

 しかし、この基本的治療をしても、また一生懸命ハミガキをしても、なかなか歯肉の炎症がとれず、歯肉の腫れや出血・口臭で悩まれる方が多数いらっしゃることも事実です。歯科治療は歴史的に見て、外科的な処置が中心で内科的な治療が遅れる風潮がありました。

 しかし、むし歯や歯周病が風邪と同じく感染症である事が解明され、その原因の細菌がわかってきている今、その原因菌を消滅させる事により、病気が治る事は自然な考え方だと思われます。この歯周病を薬で治す治療方法を研究している「国際歯周内科学研究会」に入会し、研鑽を深めていく中 で、私たち自身確信を持ってこの治療法を行っており、その成果はますます上がってきています。

 現在この治療法はアメリカの「ロマリンダ大学」でも研究が行われています。

歯周病の治療から歯原性菌血症の治療へ(現在の歯周病治療の考え方)

 歯原性菌血症とは、お口のバイ菌が血液の中に入る病気のことです。歯周病が進行すると歯周病の原因菌が血管内に進行し、歯原性菌血症を引き起こします。

 そのため現在では歯周病の治療だけではなく、歯原性菌血症の治療を行うことが重要であると考えられています。

歯原性菌血症の原因菌のDNA検査(リアルタイムPCR法)