歯周病の除菌治療とは、お薬を用いて歯周病を治すという新しい治療法です。
「歯周病が薬で治る?」と聞かれたら、多くの方が驚かれるかも知れません。私もその一人でした。歯周病治療 と言えば、昔からハミガキ指導と歯石を除去したりする歯のまわりのお掃除が、どの歯科医院でもされている基本的治療です。また、最近ではいろいろな手術の方法が考えられています。
しかし、この基本的治療をしても、また一生懸命ハミガキをしても、なかなか歯肉の炎症がとれず、歯肉の腫れや出血・口臭で悩まれる方が多数いらっしゃることも事実です。歯科治療は歴史的に見て、外科的な処置が中心で内科的な治療が遅れる風潮がありました。
しかし、むし歯や歯周病が風邪と同じく感染症である事が解明され、その原因の細菌がわかってきている今、その原因菌を消滅させる事により、病気が治る事は自然な考え方だと思われます。この歯周病を薬で治す治療方法を研究している、「国際歯周内科学研究会」に入会し、研鑽を深めていく中 で、私たち自身確信を持ってこの治療法を行っており、その成果はますます上がってきています。
現在この治療法はアメリカの「ロマリンダ大学」でも研究が行われています。
歯を支える歯ぐきや骨など、歯の周囲に起こる病気です。歯の周りの骨が溶ける病気ですから、進行すると歯がぐらつき、ついには抜けてしまいます。
さらに歯周病は、生活習慣病の1つとされ、糖尿病、心臓病、誤嚥性肺炎、早産、低体重児出産などの全身疾患ともかかわりが深いことが分かってきました。
歯周病菌といわれる細菌が増殖し、まずプラーク(歯垢)をつくります。プラークはそのうち固くなり、歯石となります。歯石がポケットの中で多くなると、その中の歯周病菌が原因で骨が溶けだすのです。
骨がある程度溶けてくると歯を支える物がなくなり、グラグラ揺れてきて最後に歯抜けてしまいます。この間が20~30年かかるため気がついた時には手遅れになる恐れのある怖い病気なのです。
① 原因となるプラークは、みがき残しがあると増殖するので、プラークコントロールが治療の基本です。
② その後、歯石はハミガキだけでは取れないので、現在付着している歯石を取り除きます。
③ お口の中の歯周病菌が多い方は、お口の除菌治療(歯周内科治療)を行います。
④ すでに骨が溶けてしまっている重度の方の場合は、歯周外科治療を行うこともあります。
「歯周病は、歯周病菌による感染症」だということをご存知ですか?例えば風邪は、ウイルスによる感染症ですが、同じ感染症なのになぜ風邪はお薬を飲むと治るのに、歯周病にはそういう治療がないのでしょう?そういった疑問から研究され、ついに完成した最新の治療法が、「歯周内科治療=歯周病の除菌治療」です。
除菌方法は、モニターを用いた顕微鏡検査によりお口の細菌の種類や数などを検査し、その細菌に合うお薬やハミガキ粉を用いてお口の中をきれいに除菌するので確実です。歯周病が進行していない方でも、除菌治療を行うことにより、これから歯周病が進行しにくくなるため、最適な予防法ともいえます。
一方お薬を使用しなくてはならないので、肝臓や腎臓にご病気のある方や、お薬に抵抗のある方、またヒノキアレルギーの方には向いていないかもしれません。
歯ぐきの下の歯石の中にいる歯周病菌が全て除去できたかどうかを、目で確認できるでしょうか?またどんな細菌がいるかもわからないのに、適当なお薬を使用することができるでしょうか?それは非常に危険なことです。
歯周病が感染症である以上、歯周病菌の存在を無視することは決してできません。ですから、顕微鏡を用いて術前、術後の確認をすることは非常に大切なことであると考えています。
除菌前の歯周病菌の状態カビ、歯周病菌がたくさん見られます。歯周病が進行している状態です。 |
1週間後の歯周病菌の状態非常にきれいになっています。本来いるべき正常な細菌は残っています。 |
歯周病菌の再感染がなく、お口の清掃状態が良好ならお口はきれいなままですが、例えば同じ感染症の風邪と同じで、治っても次の年にひくことがあるように、再度歯周病になることもあります。
これも風邪と同じように、簡単に再感染するわけではありません。しかしもし不幸にも再感染を起こしたら、また歯周病が進行する前に、そのときのお口の状態に合わせ、歯石を取ったり、場合によっては除菌して治すようにします。しかし、歯周病は風邪のように空気感染はしませんから、御安心ください。
再感染は、身近にいる方(家族、恋人など)が歯周病になっているときなど、自分の周りに歯周病菌が多いという状態のとき起こすことが多いようです。そのためこの治療は、家族単位で受けられたほうがより効果的です。
感染経路はまだはっきりとした研究報告はないのですが、回し飲み、回し食い、端の使いまわしなどの唾液感染やキスなどの性感染によると言われています。
お薬を塗ったり、飲んだりするだけですから、痛みはありません。また塗り薬は、飲み込んでも体内に吸収されず排出されますし、飲み薬も内科などで通常処方されているもののうちから選んで処方しています。
それに、当院のスタッフは全員、歯周内科治療の講習会を受講していますので、除菌治療に関して、深い知識を持っています。院長はこの治療法を研究している「国際歯周内科学研究会会員」でもあります。
以上のことより安全といえると思います。
あまったお薬を家族間で使用することは避けてください。顕微鏡検査をせずにお薬を使っても、そのお薬に合う細菌がいないと全く効果がないばかりか、お薬の間違った使用は耐性菌をいたずらに増やす危険性があります。ですから、もしお薬が余ったら、もったいないですが処分してください。
※耐性菌‥DNAの突然変異により、今まで効果のあったお薬が効かなくなった(耐性を持った)細菌。抗生物質の乱用などにより、現在世界的に問題となっています。
■ 口臭がなくなる
■ 歯がツルツルする
■ 歯がしみなくなる
■ 歯茎がきれいなピンク色になる
■ お口のネバネバ感が消える
■ ハミガキのとき出血しなくなる が、期待できます。